怖い絵展に行ってみて分かった人気の秘密
『レディジェーン・グレイの処刑』
宮城から東京まで旅をしたことは、先日のブログでも述べてきましたが、まだまだ細かい所は伝えきれていないものが多いです。
前回の旅の記事
↓
http://12hirophotolove.hatenablog.com/entry/2017/11/24/091003
今回は、僕が実際にその旅の中で足を運んだ怖い絵展のことについて書きたいと思います。
~なぜここまで受けるのか?~
怖い絵展は、現在上野の森美術館で開催されている美術展です。
この美術展は、「美術作品の中にはぱっと見ただけでは分からない、時代背景の裏の恐怖が隠されている」
ということをモチーフにしています。
なので、怖い絵展です笑
先日のニュースによると、その人気は絶大で、平日でも1時間半待ち、休日は2時間待ち、最大で3時間半の待ち時間ができているそうです。
https://www.nikkansports.com/m/general/nikkan/news/201711200000146_m.html
では、なぜ怖い絵展はここまでの人気を誇る美術展となったのでしょうか。今回はその秘密を実際に足を運んだ僕の目線から語りたいと思います。
①怖いというシンプルかつ人を惹き付けるワード
まず、みなさんは美術というものに興味があるでしょうか。美術と聞くと学生時代に少し勉強した記憶があるなあとか絵のセンスはなかったなあとかそんな印象があると思います。
ちなみに、僕はこの怖い絵展に行くまでは、全く美術には興味がりませんでした。(もちろん美術展も)
美術展と聞くとやっぱり思い出すのは
「歌川広重の作品展」
だとか
「鎌倉時代の文化と美術作品」
だとか
そういうイメージだと思います(あくまでわたくし自身の勝手なイメージです)
そう、なんかあまりぱっとしないですよね。
歴史には興味があまり湧かないし、かといって美術というものもあまり分からないし………。
実際、そういう人が多数だと思います。
ですが、今回の美術展は一味違いました。
「怖い」
というマジカルワードを使ったのです。
人間には怖いもの見たさというものがあります。
怖いもの見たさとは、怖いものに好奇心を駆られてかえってそれを見たくなるという人間の心理のことです。
例えば、心霊番組(本当にあった怖い話)がテレビでやっていたら、怖いとか寝れなくなるって思っても、結局ついつい見てしまいますよね。
その人間心理をこの美術展は上手く利用しているのです。
②音声ガイドがすごい
この怖い絵展、ただ普通に作品を見るだけではありません。
なんと、音声ガイド(550円)というものもあります。
この音声ガイドを使うと、よりスリリングな気持ちで美術作品を拝見することができます。
僕もこれを利用したんですが、かなりよかったです。
550円は高い気もしますが、ぜひ皆さんも使って体験して見てください?
③本の中に閉じこまれたような恐怖感
これは実際に足を運んでみないと絶対に実感できないことかもしれませんが、この美術展普通の美術展とかと違ってかなり狭いです笑
人が多く混雑しているということもあるかもしれませんが、それを除いたとしても圧迫感を感じるかもしれません。
ですが、あくまでもそれが売りだと思っています。あえて狭くすることによって、より恐怖を誘う。うまい戦略だなあと自分は感心しています。
④お土産・グッズの種類が豊富
僕が、東京まで旅に出た時は基本的にすべての日が雨でした。
移動はもっぱら自転車だったので、お土産を買うなんてことはできませんでした。
なので、ここのお土産・グッズを変えなかったことはとても悔やまれます。
ここのお土産やグッズ、まーすごいです。何がすごいかっていうと、とりあえず何か買いたくなります。自分も何度買いたくなって伸ばした手を引き止めたか分かりません。
怖い絵の著者である中野京子さんの本や怖い絵展オリジナルのクリアファイルやカードなど、そのバリエーションは豊富です。
ぜひ、訪れた時はお土産やグッズを買うことをオススメします。
⑤『レディジェーン・グレイの処刑』
この美術展の目玉作品はなんと言ってもこれ。
『レディジェーン・グレイの処刑』
実際に足を運んだから分かるのですが、この作品だけはやっぱり大々的に飾られています。(どんな感じからは行ってからのお楽しみに)
どうやら日本初上陸の作品らしく、だいぶ前から美術マニアからは注目が集まっていたそうです。
正直言うと、僕がこの美術展に行こうと思った理由は半分はこれです。
単純にこの作品すごくないですか。
まーぱっと見、あーこの真ん中の女の人が処刑されるんだなーっていうのは分かるんですが、なぜこんなにも美しいんだろうって疑問に思いませんか。
普通、処刑される前だったらもっとふしだらな服装をしていると思います。
けれどもこの女の人は違います。
そこに僕は興味深さを持ちました。
それにこの作品からは処刑や美しさだけでなく、それ以上に歴史や時代背景、文化や階級性のことなど非常に多くのことを学べます。
彼女の生い立ちから悲しい結末までは上野の森美術館に行けばすべてが分かります。美術の偉大さを改めて再認識しました。
とにかく、この作品だけは秀逸でした。
今でもあの絵は忘れられません。
ただただ素晴らしいの一言です。
~これからの美術~
よく、美術や音楽とかって軽視されますよね。
特に、学校教育などでは重点的に捉えられていない現実があります。自分も学生時代はそんな感じでした。
ですが、今回この美術展に足を運んでみて、改めて美術を勉強することの大切さを学べました。
美術に税金をかけるのは間違っているという声を上げる人もいますが、僕はそれを否定します。
美術こそ時代や人種を超えて、人と人とを繋げる仲介役そのものだなと考えています。
まだ開催されていますが、今回のこの「怖い絵展」は、近年稀に見る大成功を収めました。
これからも怖い絵展のような斬新かつ老若男女問わず楽しめるような美術展が登場することを期待しています。
ちなみに、この美術展は今年の12月17日(日)まで開館されています。
ぜひ、興味がある方・気になる方は1度足を運んで見てください。
あなたの芸術センスが変わることは間違いないでしょう。
それでは、また。